2013年11月10日

[冬タイヤ]試乗会でスタッドレスタイヤを比較してきた

先日、タイヤメーカーにより開催された冬用スタッドレスタイヤの試乗会に行ってきた。
スタッドレスタイヤを3メーカー、同じ条件で乗り比べてきたのでその比較や感想を記載する。



乗ったタイヤは3メーカーの最新タイヤ


  • BRIDGESTONE[ブリヂストン] BLIZZAK VRX(ブリザックブイアールエックス)

2013年に発売されたブリヂストンの新製品。

アクティブ発泡ゴムといういわゆる吸水性のゴムを採用し、濡れている氷の上でも
性能が発揮されるようになっている。

また、IN、OUTでの左右非対称トレッドパターンが前回のBLIZZAK REVO GZ とは逆で、
IN側を氷上性能、OUT側を雪上性能に特化となっている。



  • YOKOHAMA[ヨコハマタイヤ] ice GUARD 5 iG50(アイスガード5 アイジー50)

2012年に発売された最新モデル。「氷に効く」「永く効く」「燃費に効く」のキャッチコピーを
全面に押し出し、止まることはもちろん、燃費の良さをアピールしている。

ゴムはスーパー吸水ゴムというブリヂストンと同じく吸水系のゴムを使用している。
ヨコハマが発信した「乾いた氷は滑らない」のキャッチは記憶にあたらしい。

こちらもお家芸である左右非対称トレッドパターンを用いており、前回のice GUARD 3と同様に
IN側を氷上性能、OUT側を雪上性能に特化してある。

タイヤ自体の持ちも良くなっており、ブリヂストン、ダンロップが3年までとしているところ
ヨコハマのこのタイヤは4年となっている。



  • DUNLOP[ダンロップ] WINTER MAXX(ウィンターマックス)

2012年に発売された最新モデル。ナノフィットゴムというアイスバーンでもしっかりと氷上に
密着する素材を利用することによりブレーキ時の制動性能を高めている。

スタッドレスとしての利用用途もさることながら、ライフ性能の向上もうたっており、
長い期間使い続けられるということが売りの一つになっている。








試乗会での比較条件はこんな感じ

  • 全メーカー同じクルマを使う(TOYOTA プリウス)
  • 公平性のため、タイヤの空気圧を全車走行前にチェックして統一あることを確認する
  • 公平性のため、トランクに荷物が入ってないことを確認する
  • スケートリンク内の氷上でスラロームと急制動(約20km/hでのプレーキング)を実施
  • 試乗の順番はダンロップ、ブリヂストン、ヨコハマタイヤ



以下が実際に乗ってみた感想



DUNLOP[ダンロップ] WINTER MAXX(ウィンターマックス)

まずはひとつめダンロップ。
ダンロップは毎年スタッドレスに関してはいまいちパッとしないという評判を耳にする。
しかし、乗ってみると意外と良かった。

走り出しのグリップも安定しているし、スラロームも特に問題はなく走ることが出来る。
肝心の急制動もトラクションはかかるがしっかりと止まっている。

制動距離も3メーカーの中で一番短かったように感じた。

正直氷上性能という意味では良い印象だ。

by カエレバ


BRIDGESTONE[ブリヂストン] BLIZZAK VRX(ブリザックブイアールエックス)

ブリヂストンが満を持して発表したVRX。これが思ったよりも性能の高さを感じられなかった。
この3つのタイヤの中では一番価格も高いのだけれど。。。

特に発進時にタイヤが空転してしまうということが目立った。
プリウスはパワーがそこまである車ではないがそれでもグリップしきれていない印象。

カーブ時も一度滑り始めてしまうとそのまま流れていってしまいヒヤリとする場面も。

急制動も制動距離は一番長くなってしまっていた。

VRXは吸水タイプのゴムなので、わりと乾いた氷上での試乗だったことが
このような結果に影響したのかもしれない。

いずれにしても今回の試乗会では良い印象はあまり得られなかった。

by カエレバ


YOKOHAMA[ヨコハマタイヤ] ice GUARD 5 iG50(アイスガード5 アイジー50)

ヨコハマのタイヤは一番標準的な印象を受けた。
氷上での性能は可もなく不可もなく、といったところだ。

急制動での制動距離は他2メーカーの真ん中というところだろう。
ただ、走り出しのグリップは良いように感じた。

また、今回のアイスガード5ではサイドウォールの剛性を高めて低燃費をうたっているだけあって
乗り心地としては他の2メーカーよりもしっかり感があって良い。
スタッドレスは柔らかいせいかふらつきが出やすいのでその辺りはメリットだろう。

燃費も一日の試乗会を通して他メーカーより10%以上良かったようだ。

by カエレバ


氷上性能だけで比較するとウィンターマックス。それ以外は・・・

ということで、今回のリンク上での氷上性能として正直な感想としては
ダンロップのウィンターマックスに軍配があがった。

ただし、スタッドレスタイヤの選ぶ時のポイントはそこだけではない。
氷上性能だけではなく様々な要素を比べて選びたいところだ。



スタッドレスタイヤの選び方

私が選ぶのであれば下記のようなポイントを見たい

  • 氷上性能
もちろんこれは大切な要素だ。
スタッドレスタイヤとしては氷の上で止まることが一番肝心なのは間違いない。
むしろこれがしっかりしていないとあまり意味がないだろう。

しかしながら、正直言って、各メーカーそこまで大きな違いは無いと思っていい。
すでにスタッドレスの制動としての技術は成熟に近いところまで来ているのだ。
スタッドレスタイヤならどのメーカーのタイヤを買ってもほとんど心配はいらないだろう。

  • 雪上性能
雪が多く降る地域なら雪上性能は検討項目から外せない。
雪上性能は氷上性能とは大きく必要になる技術が異なるからだ。
雪上性能にこだわるのであれば、メーカーのカタログなどを確認しそれなりに
アピールポイントとして強調されている記載があるものを選ぶと良いだろう。

  • ドライ性能
私のように関東に住む人にとってはこれも外せないだろう。
関東ではどちらかというと雪や氷の上を走るよりも通常のアスファルトの上を
走ることのほうが断然多くなる。

特にスタッドレスタイヤではノイズが出やすかったり、タイヤが柔らかいせいでカーブを
曲がるときにふらつきが出たりということになりがちだ。

その点、ドライ性能が高いタイヤは重宝するだろう。

  • ウェット性能
ウェット性能は主に雨が降っている時など濡れた路面での走行時の性能だ。
雪が降った次の日の濡れた氷の上などで効果を発揮するのはやはりどちらかというと
吸水系のタイヤであろう。
ブリヂストンのVRXやヨコハマタイヤのアイスガード5などがそれにあたる。

  • タイヤ寿命
近年タイヤの寿命も伸びてきてはいるが、それでもやはり2~4年程度で
新しいものを買う必要がでてくると言われている。
タイヤは安いものではないのでなるべくなら長持ちするものを買ったほうが良い。

ヨコハマタイヤのように寿命が長いタイヤを選ぶというのも手だ。

  • 燃費
タイヤ業界では近年燃費の向上をうたうことはひとつのトレンドになりつつあるようだ。
各メーカーで違いがでやすいところでもあるのでこれで選ぶというのも良いだろう。
最近はガソリンの価格も高いので気になるポイントでもある。

  • 価格
最後に価格だ。
やはりコストパフォーマンスは気になるところ。
ただ、スタッドレスタイヤに限って言えば値段と性能は比例すると言っても良い。

なるべくケチらずによく検討した上で購入すると良いだろう。

  • こちらもオススメ


この記事「[冬タイヤ]試乗会でスタッドレスタイヤを比較してきた」はあなたのお役に立ちましたか?よろしければ「いいね!」や共有、ブクマをしていただけるとうれしいです。

19 件のコメント:

  1. 参考にします。

    返信削除
  2. 国産三大メーカーならどれも一長一短ですね、車は乗る人のセンスの問題もあります。
    どんな年々進化し続けるスタッドレスタイヤも絶対滑らないはないのですから…今までBSだったのですがそんな偏見もいまはなくなりコストパ重視です。ただBSに関しては雪が降る地方には固定観念あるような気がしますね
    今年はちなみにダンロップにしました。

    返信削除
    返信
    1. そうですね。本当に一長一短です。
      最近はスタッドレスも性能が良いので、雪上性能や氷上性能で言えば、いい意味でそれほど差が無いように思います。
      最新モデルですと加えて燃費性能や摩耗性能なども良くなってきているので、そのあたりで選ぶというのもひとつの選択肢としてありかと思っています。

      削除
  3. winterMAXXの評判がそこそこということなので、ずっとBSを履いていたのに今年はダンロップを注文しました。
    しかし、注文してから不安になり調べ始めたらここがヒット。とっても安心できました。
    メーカーをまたいだ評価っていうのは、なかなかないんですよね。公式なサイトなどではいろいろと問題もあるでしょうし。このように公平な意見を書いていただくのは大変ありがたい。感謝です。

    返信削除
    返信
    1. ご覧いただきありがとうございました。
      タイヤは一回購入すると少なくとも2、3年は使うことがほとんどなので、なかなか商品を比較できないですよね。
      少しでもお役にたてていれば幸いです。

      削除
  4. 試乗前にもう一つチェックをすべきでした

    ①皮むきがされているか
    DLのウインターマックスはコンパウンドに特殊加工をしていない(気泡は無い)ことから皮むきをせずとも「サイプによるひっかき効果」のみで氷上でのグリップを得ています。
    横浜のIGに関しても皮むきをせずとも最初からある程度バルーンなどの吸水素材が出ていますからある程度グリップはします。
    けど、BSに限っては一番の特徴である発泡ゴムがきちんと出ていなければ(皮むきが終わっていなければ)グリップ力はサイプのみに頼ってしまうために弱くなります。
    DLだと他社と比べてサイプの数が1本多くなっていること・サイプの幅も細い事もあり、新品(皮むきしていない)状態であれば一番優位に働きます。

    参考までに北海道名寄にて行われた氷上性能の試乗会(問屋主催)では、各社スタッドレスをしっかりと皮むきした状態で行われ、そこではBSと横浜が拮抗しDL ウインターマックスは1世代前のBS・YHと同等の性能との結果になっています。

    皮むきって結構重要なんですよ、それもしっかりと確認すべきでしたね。

    返信削除
    返信
    1. 皮むき、ですか。なるほど。それは初めて知りました。
      貴重な情報ありがとうございます。
      BSのスタッドレスタイヤはトレッド面の一番外側だけ若干作りが異なる(発泡ゴムではない)ということなのでしょうか。
      そうゆうことであれば、装着後すぐに雪道にでるよりも、慣らしでドライの路面を一定距離走らせたほうが良さそうだと想像しました。

      削除
  5. 当職は某タイヤ卸会社の課長やってます。

    生タイヤまで製造後に仕上げとして加硫工程を行います(熱によるゴムの化学反応とコンパウンド表面のパターン行程です)。
    夏タイヤ及びスタッドレスタイヤの一部のようにゴムそのものに混ぜ物を混入(例えば純粋な気泡)していないのであれば、加硫しても特に問題はありません。
    しかし発泡ゴムの場合、純粋な気泡(配合剤の組み合わせによる発泡効果)ですので、折角の発泡ゴムの生ゴムも加硫すると熱反応で気泡が閉じ込められてしまいます(約0.5ミリ程度の薄い膜が出来ると思って下されば結構)。
    なのでブリヂストンは慣らしとして「約500キロ程度は最低でも乾燥路走行して下さい」としています。
    これにより表面の薄いゴムが剥がれて発泡ゴムによる微細な凹凸が現れてきます。

    これが俗に言う「皮むき」と呼ばれるものです。

    ダンロップは以前グラスファイバーを混入していましたが、材料を混ぜ込む際に垂直になる事はなく加硫後も寝た状態である事が散見されたためにWINTER MAXX以降は不採用となっています。
    横浜のIGは加硫後もバルーン(殻)がそのまま反応に負けずに表面に残った状態(配合剤による純粋な気泡では無く風船を練り込んだだけ)ですので、特に皮むきをしなくてもある程度は氷上性能を確保できています。

    氷上におけるグリップ性能ですと、除水効果も必要ですがそれ以上に氷上の微細な凹凸に食らいつくだけのサイピング技術・密着が必要です。
    今回氷上実験で使用されたWINTER MAXXですが、ブロック一つに対して他社と比べて1本は多くサイプが刻まれています。また、サイプ自体も隙間を極限まで無くすことで毛細管現象による吸水・除水効果を高めると共に路面との密着も高めています。
    但し、その技術が素晴らしいかと言えばぶっちゃけて言えば「他社の真似事」に過ぎません。
    これがダンロップ独自で開発したのであれば素晴らしい技術ですが、残念ながらミシュランの真似事であると共に同業他社の技術革新を横取りしたようなものです(90年代後半には各社が導入し改良を重ねてきた→ダンロップは2005年まで未導入)。

    今回の結果が何故ブリザックが一番氷上性能が劣っているように見えるかと言えば、上記の方が申しているように皮むきと言われる慣らし運転がされていない純粋な新品であった点(間違いないでしょう)と、氷の表面が乾いた状態であれば、除水効果よりもひっかき効果や密着が優先される傾向もあるからと推測します(といっても、接地と同時にタイヤと氷は圧力で微細な水膜が発生します。どうしても気泡がでていない状態であれば、ブリザック側は不利ですね)。

    面白い実験として以下をやっています
    ①ブリヂストンの営業マンから発泡ゴムのゴム板を貰う
    ②ヨコハマタイヤの営業マンからIGのゴム板を貰う
    ③ダンロップ営業マンからWINTER MAXXで使用している撥水ゴムの板を貰う
    ④トーヨータイヤの営業マンからクルミ入りのゴム板・・・(以下、上記に同じ)

    それぞれ氷の塊を置いてある程度溶けるまで放置し、その後同時に斜め45度まで傾ける
    なんて実験やってみたのですが、最初に氷が落下したのはWINTER MAXXのコンパウンド
    2番目はトーヨータイヤのゴム板(クルミ混入)
    3番目は横浜のゴム板
    4番目はブリザックの発泡ゴムの板
    といった結果です(経過記録として動画撮影してあります)

    純粋に氷に対してグリップ力あるのはやはり気泡系ゴムなんだなと再確認した次第


    もう一つ
    WINTER MAXXですがコンパウンドに混ぜ物を混入していない状態が明らかですが、未だに初期性能確保のための「リブレット」を表面に刻んでいますね。
    リブレットを必要としているのはコンパウンドに気泡やクルミなどを混ぜた状態で、それらが出てくるまで除水効果を持たせるためなんですが、うちの倉庫にあるWINTER MAXXを見るたびに「リブレット不要なのにな」と感じています。
    他社が導入しているから自分らも・・・てな感じで刻んでいるのでしょうね。

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます。
      業界の方ということで非常に豊富な知識をお持ちなのだとお見受けします。
      実際、業界歴の浅い私としても大変勉強になりました。ありがとうございます。

      なるほど、確かにブリザックの発泡ゴムは加硫工程で外側に薄皮のようなものができそうですね。
      おかげさまで容易に想像が膨らみました。また、皮むきという工程の重要さが理解できました。


      各社のゴム板を用いた実験についても非常に貴重な情報ですね。
      パターン無しの純粋なゴムとして、氷に対する性能はブリザックに軍配があがるようですね。
      わたしもこの目で見てみたいです。

      まだまだ知らないことがたくさんありますが、このようにコメントをいただくことで
      新たな知識を得ることができうれしく思います。ありがとうございます。

      削除
  6. 問屋です。
    あと、試乗順はどうでしたか?
    最初(一番氷上が乾いている)時は一番グリップが効きやすいでしょう、けど同じコース等を走行すれば氷上の状態も変わってきます。
    1番目と3番目では氷上の水膜も変化しているでしょうし、走行後における時間の経過(水膜が再度氷結するか水膜が増すかは時間経過や室温等でも変化しやすい)それらも考慮した結果だったかが疑問です。
    フェアな状態で確認するのであれば、北海道のような厳寒地の屋外コース等で同時に行う方法が比較的ある程度公平な結果が出やすいです。


    どうしてもスケートリンクですと同じコースを何度も走行せざるを得ませんし、それこそ厳冬地域における「ミラーバーン」じゃありませんけど、氷の状態だって1度目と3度目とでは後者の方が磨かれた状態になるでしょう。

    空気圧や車重等々を考慮するまでは良かったのでしょうけど、タイヤの状態(まるっきりの新品か表面のリブレットが消えるまでの慣らし走行しているか)によっても結果が大きく変わる事を考慮するならば、この試乗会における結果は参考になるかは非常に厳しい物を感じます。

    結果順を踏まえてメーカーの特色を入れてみました。
    ①コンパウンドに撥水素材を練り込み、新品(慣らし走行する前)でもある程度は撥水機能のみで水膜を除去している。
    ②コンパウンドに吸水素材が練り込まれ、新品時においても最初からある程度吸水素材が出ているために水膜の除去効果がある。
    ③コンパウンドを製造する際に配合剤による気泡を発生しているが、製造工程上加硫時に気泡が表面に出ないため、新品時は除水効果が薄い(慣らし走行し一皮むけば除水効果が期待できる)

    コンパウンドの状態や性能もそうですが、どうしても試乗会は主催会社が推したいメーカー品が優位に働く傾向があります(これはどの試乗会でも共通)。
    空気圧もそうですが足回りを少しいじる(バランス調整)だけで同じ車種のはずでも相当結果に違いが出ています(以前某D社関係会社主催の試乗会では、B社とY社にT社のスタッドレスを履かせた車の足回りを少しいじりバランスを狂わせていた事があり、試乗会ではD社が一番優れているように見えていたが、問屋さん共催の試乗会ではまったくグリップしなかったためD社営業マンに聞いたところ足回りを少し小細工した事を確認している)。

    各問屋さんが共催で実施した場合を除いて、1社のみの主催で実施の試乗会の結果って私の過去の経験からして参考程度になるかも疑問です。


    問屋の立場(参考までにうちの扱いは各社それぞれ取り扱っています。どちらかといえば社長の好みでダンロップに力入れている会社の社員ですし別にブリの回し者ではないです)として、試乗会の結果について、疑問を感じていましたのでコメントさせていただきました。

    返信削除
    返信
    1. 試乗の順番はダンロップ、ブリヂストン、ヨコハマタイヤでした。
      仰るとおり今回はあるメーカーの開催のためどうしてもそのメーカーに
      優位にはたらく可能性はあるのかな、と私自身も思います。

      会場はやはりスケートリンクですので周回数が増えると氷の状態は次第に変わっていました。
      (発進やブレーキが頻発する場所は氷が削られたり、停車時間が長い場所では氷が溶けたり)

      私が関東地区のため、どうしても関東近辺のスケートリンクでの開催になるのは仕方ないような気もします。
      ただ、機会があれば是非北海道のような厳寒地の屋外コースなどで試乗してみたいですね。
      また、問屋さんが共同開催している試乗会があるというのも存じませんでした。
      それであればもっと公平に評価ができそうで良いですね。

      お金があれば自家用車のタイヤを全メーカー買い揃えて
      長い時間をかけて評価までできるといいのですがなかなかそれは難しそうです笑

      削除
  7. いのせさんへ

    某会社課長(問屋)です。
    本来ですとそれぞれスタッドレスで使用しているコンパウンドのゴム板を並べて氷の落下の違いに関する動画はYouTube等に掲載すると良いのですが、それをやってしまうと「それぞれメーカーによる氷上性能の違いが明確になりすぎになり、折角メーカーそれぞれが企業努力で行っている販売等にも影響を与えてしまう(某社に有利に進む可能性)といったあまり宜しくない結果になる」事を危惧している事から当方では動画の公表はしていません(大げさでしょうけど)。

    しかしサイエンスチャンネルのタイヤに関する動画では似たような動画が投稿されています(発泡ゴムと普通のゴム板)。
    発泡ゴムは除水による水膜の除去で落下しにくい。
    普通のゴム板は除水されないために水膜に氷が浮いてしまうために落下する。
    通常のゴムには素材由来の撥水機能があります。その撥水機能だけでは氷との間の水膜の存在による浮いた状態が見られるために氷が落下してしまう。
    ダンロップの撥水ゴムは素材由来の撥水機能を拡充した程度(シリカの配合率を増やす事による撥水機能の付与)ですが、そのシリカもダンロップだけかと言えばメーカー各社もタイヤの90年代後半までには導入しています。
    けどシリカそのものによる撥水機能を大々的に取り上げて広告しているのはダンロップ(と同系統)だけですし、他社もコンパウンドの補強等の確保のためにシリカを混入している(配合率はダンロップからみたら低いでしょうけど)割には撥水機能は謳っていない。
    シリカによる撥水機能は本当に有効なのか、他社も混入している状況下からしてその点今でも疑問ではあります。

    返信削除
    返信
    1. なるほど、シリカの配合率を増やすことによる撥水効果向上と、発泡ゴムのもつ撥水効果では顕著な違いが出るということがわかりました。

      どこのメーカーもそうですがやはり自分のところの商品はいかにも素晴らしいものとしてCMやカタログなどで販売促進していますね。
      しかしその実、メーカー側は絶対に他社と比較した結果を具体的に公表することは無いでしょう。
      課長さんのように複数社を客観的に比べた情報は大変貴重で参考になります。

      ダンロップのウィンターマックスは2シーズン目になると明らかに性能が落ちる、というのも聞いたことがあります。このあたり、新品だけでなく、2年、3年と使った時の性能の差なんかも比べると面白そうですね。
      おそらくかなりの差がでるのではないかと予想します。

      削除
  8. Y社営業担当2016年10月31日 8:46

    お邪魔します
    Y社の道内にある営業所で営業・販売担当をやってます。

    弊社開発チームだけでなく、B社営業担当者とも情報交換を行う際に聞いていますが、D社が今年発売した02の性能比較実験の結果によりますと、スケートリンクではB社VRXや弊社新製品(IG50 PLUS)と互角の結果になりますが、屋外で多種多様な気象条件での実験ではB社のGZ並の性能と確認できます。
    理由として、スケートリンクのような平坦かつある程度乾いた状態の氷では、サイプによるひっかきとX-Iceシリーズを模倣したトレッドの表面のみを軟化させた事による密着でグリップ力を得られていますが、反面交差点のようなミラーバーンや濡れて滑りやすい路面・さまざまな気象条件で発生しやすい氷上の凹凸等々においては、サイプによる吸水と撥水ゴムとのバランス面が折り合い悪く、スリップの原因になる氷上の微細な水膜除去が思うようにできず、結果グリップ力の総合結果では今年発売の商品であるにも係わらず、8年前に発売になったB社GZ並と相応の評価になったそうです。
    今年発売の商品ですので、氷上と同じ環境下での実験は北海道ですと某道北区域で特殊なコンクリート路面を水で濡らして氷上と同様の状態をいくつか作る事で比較実験しましたし、実際の氷上実験は日本国内ではできませんから、南半球の某国寒冷地へ持ち込んでの性能評価試験をB社も弊社も行わせてもらっています。


    B社のブリザックシリーズはトレッドゴムをベースとなるタイヤに貼り付け加硫しますが、トレッドゴムには気泡を加硫の際に生じさせるために、気泡の元となる配合剤が混ぜられていまして、加硫による熱と圧力で配合剤が熱反応で気泡や水路を生じさせています。
    弊社は最初から加硫時に熱反応で膨らむ風船の元になる配合剤を混ぜる事で、熱反応と圧力で風船が膨らみバルーンを形成します。
    D社がWINTER MAXXを発売時にファイバー混入をしなかった理由として、ファイバー等によるひっかき効果そのものが大した氷上機能に反映されていなかった事、加硫時に垂直にならなかった事を踏まえ、開発時にはファイバーによるひっかきではなく、X-Iceシリーズのコンパウンドを研究し密着に切り替えた結果です。

    スタッドレスの性能を一番決めるのは、トレッドゴムのパターンと路面への密着ですが、D社・M社を除く各社は密着させるための水膜除去をサイプだけで除去できない僅かな水膜の除去をゴムに配合した気泡による凹凸で吸水とミクロ単位でのひっかき効果、密着もサイプの立体加工を改良し密着率を高めてきましたが、D社だと一番撥水効果が得られるのが製造から1年程度という状況。どうしても1年で大きく減少する点、サイプの立体加工も弊社含めた他社が15年から20年の歴史があり適宜改良がされているとしつつ、D社は導入から10年程度の歴史でまだ発展途上という状況で、トレッドのブロック単位で見ると密着はM社やB社・弊社から見るとまだまだ浅い状況である事。独自の立体加工技術が開発できず、結果第三者が考案していた立体加工技術を転用という結果になった事。

    基盤技術が「アッチコッチ行って安定していない」状況が未だに続いている現状が見られ、整備工場やスタンド等に営業や配送で出向いた際に、工場やスタンドの社長やらB社営業とも世間話ついでに話をする際に出てくるのが、「D社って未だに基盤技術が安定してないが大丈夫か?」との声が顧客レベルからも聞こえてきているそうです。
    WINTERMAXXにブランド名が変わってから少々評価が変わった(向上)したそうですが、販売店からも未だ低評価が出ている事、不安に感じる販売店オーナーがいらっしゃる事。
    だいぶ良くなってきている状況から、今後はさらに発展したものになると感じる次第です。

    しかしチームが撮影した実験の動画を見て落胆したのが、リブレット加工が残っている状態では性能拮抗しているように見えて、数百キロ走行しリブレット加工を削った状態での実験では拮抗どころか性能的にもB社だけでなく弊社製品にすら劣るっていうのはある意味落胆してしまいましたが・・・。

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます。

      WINTER MAXX 02、今シーズン発売ですからいろいろと情報が飛び交っていますね。まずはひと冬越すことで評価も定まってくるかと思います。

      確かにY社営業担当さんの言うようにD社さんの基盤技術は定まっていない感があります。
      スタッドレスタイヤの世代ごとに色合いの異なる商品が出ているような覚えがあります。
      個人的な注目はアイスガード5プラスと同じように「4年」の性能をうたってきたところです。
      試験データではなく、実車装着での真偽は4年経ってみないと実際はわからないですが、どうなんでしょうか。

      ほとんどの消費者は試乗や乗り比べをすることなくタイヤを購入します。
      そうなると単純な性能の差ではなく、タイヤメーカーの売り方の良し悪しがそのまま販売本数に影響してきそうです。
      それはマーケティングの姿としては正しいことですので否定するわけではないですが、消費者側に立ってみるとなんだか不安も感じてしまいますね。


      ここのページは本職の方々からのコメントが多くなってきました。
      とてもうれしい限りです。より現場に近くリアルで具体的な内容が飛び交っていて非常に参考になります。
      ありがとうございます。

      削除
  9. Y社営業担当2016年11月1日 9:23

    D社WINTERMAXXに評価をつけるとすれば、新品に限定しますがリブレット加工がある新品状態とはいえ混ぜ物をせずに純粋にサイプとトレッドパターンのみでB社VRXに拮抗する性能を得ている事です。これは評価をつけるべき点です。
    初代WINTERMAXXもそうですが「摩耗しにくい」という事は、それだけゴム内部の混ぜ物が無い純粋なゴムのみという点があります、スタッドレスの黎明期の特徴である純粋なゴム及びサイプとパターンのみで氷上性能をあれだけ確保したのは評価しても良いと感じております。

    ただ、新品同士で拮抗という事は反面、ある程度摩耗し気泡や水路・吸水素材が出てくるB社及び弊社製品に比べ、D社WINTERMAXXの場合は新品時の機能がそのまま摩耗しても継続するだけであり、特別な効果を持つものが無い・摩耗しても出てこないという事で、結果慣らし走行を終えた程度の状態ではB社GZ程度の性能と称されたのは当然の結果かと思います。
    スタッドレスの性能を決めるうえで大事な面として、トレッドパターンと密着がありますが何より大事なのが除水となります。
    除水はサイプで凡そ7割程度除水できますが、残りの3割をどうするのかが各社技術面の開発に力を入れていたわけです。
    発泡ゴムや弊社吸水ゴムは基本的にゴムに微細な凹凸を設ける事でその凹凸に僅かな水を取り込む事で滑る原因の水を排除しました。
    D社は当初トレッドパターンにサイプの一種である「ワイパーパターン」を採用しワイパーの原理で水を弾き飛ばす事を狙っていましたが、弾き飛ばすと同時にパターンによる摩擦で新たに水膜ができてしまうという笑えない効果まで生み出してしまうという結果になり、このトレッドパターンは実質2製品で終了となっています。
    B社だと水路による除水率の向上、弊社だと吸水バルーンの改良及び吸水素材の導入といった流れでした。
    D社は撥水ゴムを採用した訳ですが、シリカによる撥水機能の拡充及び特殊なオイル成分の導入によるシリカの補完であり、オイル成分が実は1年程度で新品時の3分の2にまで減少してしまう事、実を申せば今も変わっていません。
    撥水を導入したのが実はD社及び関連会社製品のみで、他社は吸水に比重を置いている。

    そういう意味では発泡ゴムを開発したB社は性能が飛び出ておりましたし、それを各社は追求していました。

    性能で4年持つとしていますが、実はB社限定ですが適切な保管で10年以上使用可能です。
    以前、弊社で実験的に保管していたB社のPM10、発泡ゴムの黎明期の製品ですが今年2月に倉庫から取り出して使用してみたところ、十二分に性能発揮できていました。
    製造から20年くらい経過している製品です。
    それでも使用出来ているという事は、B社の技術は素晴らしいと思います、弊社同時期製造製品だとかなり厳しい状況という結果でした。


    ちなみに弊社・D社・T社などスタッドレスを製造する各社は、目標とするベースを実は「BSの最新スタッドレス」としています。
    BSに追いついたと車専門誌は評価して下さっている弊社製品ですら、開発時はB社の最新スタッドレスを購入し、それを研究しております。
    販売店での売り上げ実績もあるでしょうが、B社はやはりスタッドレスに限定すれば基準杭なのかもしれませんね。

    D社の開発技術、やはり特別なアイデアと技術を持った開発陣がいない分、どうしても低くなりがちな部分はあろうかと思います。
    WINTERMAXXシリーズも搭載技術はM社技術を基準に同業他社の開発した技術の模倣でしかありませんしね。

    返信削除
    返信
    1. 非常にわかりやすいコメントありがとうございます。
      なるほど、混ぜものが無い分、摩耗してくるとどうしても性能が落ちてきてしまうのですね。
      ただし摩耗が遅くライフが長いというメリットもある、ということですね。
      このあたり氷上性能と摩耗のしにくさとは背反するものなのでしょうね。

      現状で言えばやはりスタッドレスタイヤのゴムは吸水系のものがあらゆる面から見て性能のバランスがよさそうだと感じました。

      削除
  10. 問屋さん、Y社営業担当さん、とても詳しい解説で大変参考になります。
    ただ私には両名ともB社技術者さんに見えて仕方ないですw

    返信削除

著者より:コメントをいただけるとうれしいです。お気軽にどうぞ!